top of page

​田中 信行

(2003年入社)

法曹界のプロフェッショナルなお客様に向けて

商品制作に携わる田中社員。

​営業部門での経験を経て、

現在は“編集者”として積み上げてきた​​キャリア、

業務への想い、マネージャーとしてやりたいこと、

家庭との両立についても​語ってもらいました!

_SCN7234_edited_edited.png
_SCN7238_edited.png

プライベートを大事にすることも限られた時間の中で仕事の成果を出すことも大事!
厳しさの中にも温かみのある職場でみなさんと一緒に働ければと思っています!

​\学生に向けて一言/

経歴

2003~2005年
営業部門にて、電子版商品の保守・メンテナンスを担当。

2006~2009年
編集部門に異動し、企業向けコンプライアンス研修教材の作成。

2010~現在
編集部門内の異動で、法曹のお客様に向けた単行本や電子版商品を担当。

田中さん「らしさ」とは

「物腰柔らかな頑固者」by同期

田中さんの
「カスタマーファースト」

執筆者の期待をこえること。具体的には執筆者が想像もしなかったような企画を考えたり、まさに今困っているようなテーマを提案できる編集者になること。

目次

第一法規の編集部門とマネジメントをしている部署の概要について教えてください。

image2_edited.jpg

当社の編集部門は、対象となるお客様ごとに部署が分かれており、各部署では、主として弁護士や税理士などの、職業専門家・プロフェッショナルな方に向けた商品を制作しています。

私がマネジメントしている部署は、弁護士や裁判官など、法曹に携わる方をターゲットとした商品を担当しています。「第一法規」と聞いて、一番イメージしやすい部署かもしれません。商品の形態としては、単行本、加除式書籍、そしてWEB商品の大きく3つがあります。WEB商品では、『D1-Law.com 判例体系』が代表的な商品です。また、『論点体系』シリーズに代表されるような単行本も制作しています。

『D1-Law.com』は、大学や大学図書館でもご契約いただいているので、法学部の学生さんはご存じかもしれませんね。ただ、先述のとおり、弁護士をはじめとする実務家の方に対して、実務にどう活かしていただけるかを考え、商品を開発・制作していますので、一般の方にはあまり馴染みがないかもしれません。世間一般の認知度は低くとも、プロフェッショナルな方たちに向けて、自信を持って商品を提供できるということに誇りを持って日々の業務に取り組んでいます。

当社は長い歴史のある会社ですが、その中で当部は、1953年からずっと判例の「要旨」を提供している部署であることに特徴があります。要旨とは、簡単に言うと「争点単位に裁判所の判断をまとめたもの」です。要旨を読むことで、何が争点なのか、各争点に対し裁判所がどう判断したのかをわかりやすく理解することができます。判決文を全文読むことなく、必要な情報だけを要旨から探すことができますので、法曹の方々の業務効率化に繋がります。要旨は判例のたんなる要約ではありません。要旨は、判例の争点ごとにまとめられたものであるため、その作成にあたっては、長い判決本文から争点を抽出し、まとめることが求められます。誰もが書けるわけではないものを研究者や実務家の方に書いていただき、要旨としてさまざまなWEB商品、加除式書籍、単行本に掲載することで、弁護士をはじめとする法曹に携わる方の業務に役立てていただいています。

これは私の想像ですが、1953年に働いていた先人たちにもきっと「法曹に携わる方の業務を支えたい」という想いがあったのだと思います。こういった歴史に誇りを感じながら働けるのは当社ならではと感じています。先人が紡いできた歴史を10年先も100年先も続けたいという想いがあります。

執筆者の先生はどういった方が多いのでしょうか?お話しする際に心がけていることはありますか?

執筆者は、弁護士や裁判官、あとは大学の先生方です。税理士に書いていただくこともあります。ロジカルに考える方が多いので、話す際にはこちらも論理立てて話さなければいけません。打ち合わせを行う際には、ちゃんと準備した上で話をしますが、こちらの要望を汲みとり、「それならこうしましょう」と話をしてくださいます。

心がけていることとしては、最低限の下調べは必ず行ってからお話しするようにしています。その上で、参考になりそうなデータを持っていくとか、法改正に関する動向を確認するとか、その業界に関する分野の動向を把握した上で、お話をうかがうようにしています。具体的には、法制審議会(※1)で議論がどこまで進んでいるのか、改正は成立するのか、という情報をチェックしたり、当社の営業部門がお客様に向けて開催しているセミナーに参加したり、ブログにご自身の考えを書いてらっしゃる先生もいるので、それらを読ませていただいたり、あらゆる手段で情報を得るようにしています。

相手は専門家ですので、法的な分野で対等に話すことはできません。しかし、我々は「法律」の専門家ではありませんが、「編集」の専門家です。先生方もそのように接してくださるので、「目次はどのようにしたら読者にとってわかりやすいのでしょうか?」といった本を作る上での工夫や、「こんな見せ方はできますか?」といった編集上の質問をいただくこともありますので、それに対して、編集の専門家として答えていくことが、当社の編集者としての責任だと思います。

例えば、弁護士の先生は、30分で5000円くらいの相談料が発生する料金設定になっていますので、こちらが打ち合わせの時間を1時間いただくと、その分の収入を奪うことになってしまいます。そのため、できるだけ長く話をしないように気を付けています。

もちろんこういったことは、部署のメンバーにも指導していますし、上記の姿勢を持ちながら、執筆者と関係を築いてくれていると感じています。部署のメンバーを見ていて、どういった時に執筆者との関係を築いているなと感じるかと言うと、執筆者の方から企画の持ち込みがあったときです。「次はこういう本を書いてみたいんだよね」と先生から話があるということは、前回対応したときに、「第一法規さんになら任せられる!」と思ってもらえるまで、しっかりと信頼関係を築くことができていたということです。企画の持ち込みがあるということは、よい編集者の条件のひとつであると考えています。

 

※1:法制審議会とは、法務省に設置された、法律や法務に関する基本的な事項を調査・審議する機関のこと。

アンカー 1
アンカー 2

​田中さんのキャリアの話も聞いていきたいと思います。当社に入社した頃に「こういうことがやりたいな」と思っていたことはありますか?

元々本を作る仕事に興味があったので、当社の選考を受けました。しかし、配属は営業部門だったので、正直「何だよー!」と思ってた部分はありました。当時はあまりモチベーションも高くなかったですね、今だから言える話ですが(笑)
新入社員の頃はとにかく覚えることだらけじゃないですか。「働く」ってこういうことなんだ、と思って。学生時代のアルバイトとも全然違うので、とにかく目の前の仕事を覚えることに必死だった記憶があります。
2、3年目の頃は、営業部門には所属していましたが、自分が営業に出るわけではなく、外回りをする社員の業務サポートをする仕事をしていました。具体的には、依頼された見積もりを出したり、1日の業務の中で、どのようなお客様に、どのような商談やヒアリングを行ったのかが書かれている日報を確認したり、営業の戦略を立てる会議に同席したり、営業の社員が働きやすいようにサポートするのが仕事でした。自分一人に対して、営業の社員は何名もいましたので、それぞれの社員からお願いされることに対して、優先順位を決めて対応するという、社会人としては基本的な力ですが、マルチタスク力のようなものが身についたと思います。
「自分が入社前にやりたいと思っていたことと違うな…」という思いもあり、「辞める」という選択肢を微塵も考えなかったかと言うと嘘になりますが、自分のことを振り返った時に「まだ何もやり遂げていないな。」と思い、せめて「これは自分がやり遂げたぞ!」と言えるものができるまでは頑張ろうと思ってました。
そんな想いと共存する形で、「やはり本を作ることに携わりたい。」という思いはずっとあり、毎年編集部門への異動希望(※2)は出していました。4年目に希望が叶い、編集部門に異動になった時はやはり嬉しかったです。異動後は、「この本は自分が作り上げた本だぞ!」と胸を張って言えるように頑張ろうという気持ちでした。

※2:当社では、毎年仕事やプライベートも含め、未来の自分についてどうなりたいかを考え、直属のマネージャーと面談をする機会がある。
 

実際に本作りを担当してみていかがでしたか?やりがいを感じた経験はありましたか?

入社する前からの希望でしたので、本作りを担当できてよかったと思っています。ただ、私は法学部出身ではないので、法律の知識がないのに果たして編集なんてできるのかなという不安もずっとありました。また、営業部門時代の仕事とも全く異なるので、最初は先輩からいろいろ教えてもらい、先輩のやっていることを見ながら徐々に自分でもやっていくという流れで業務を覚えていきました。新入社員とは違って、先輩がつきっきりで指導してくれるわけではないので、自分から学んでいく姿勢は忘れずにいました。本作りについて学んでいく中で、「あ、こういう風に本ってできていくんだ。」ということを知ることができたのは嬉しかったです。

やりがいを感じた経験としては、『論点体系』『事実認定体系』シリーズに代表されるような単行本の編集業務です。はじめて担当となったときは、本当に身の引き締まる思いでした。というのも、『論点体系』は1冊が600~700ページくらい、且つ1冊では収まらないので、10冊セットと分量が多く、また内容も、判例・法令・文献に関する記述が複雑に書かれている高度な単行本だからです。『事実認定体系』は、司法研修所(※3)の教官経験のある方にしか執筆できない専門性の高い内容を扱っています。編集者にとってもハードルが高いのですが、そのような商品を担当し、無事に単行本が完成できただけでももちろん嬉しく、達成感を感じますが、お客様から「あ、『論点体系』知ってますよ!」や「こんな素晴らしい本、よく完成できましたね!」と言っていただく機会もあり、喜びを感じると共に、やりがいに繋がります。

 

※3:司法研修所とは、裁判官や司法修習生のために最高裁判所に設置された研修機関のこと。

_SCN7240_edited.jpg

今までのキャリアを振り返って、こういう姿勢が身についたなと思うものはありますか?

商品を企画する際には、やはり企業なので「この本は売れるかな?」という想いが先行したり、「お客様の役に立つに違いない!」という想いが強くなり過ぎてしまうこともあります。そういう商品ももちろん必要なのですが、プロダクトアウト(※4)な考え方だけだといけないなと思うようになりました。当社に求められているものを見定めて作っていくということに関しては、どの編集部でも変わらないことなので、「何がいちばん必要とされているのか考える」ということは、姿勢として大事にしている部分です。お客様の心理というか、ニーズのようなものがわかってないと、やはり新しい商品の企画は思い浮かんでこないと思うんですよね。当社には「カスタマーファースト」の理念がありますが、商品開発をする上で、お客様のことは常に意識していないといけないと思います。

 

※4:お客様のニーズよりも、企業の考えを優先すること。「作り手がいいと思うものを作る」という考え方。

マネージャーとして、今後やっていきたいことはありますか?

☆image2 (1)_edited.jpg

当部には先ほどからの話にも出てきている『論点体系』シリーズのような、専門性が極めて高い商品もありますが、『こんなところでつまずかない! 交通事故事件21のメソッド』に代表される『メソッド』シリーズのような、若手弁護士向けの手に取りやすい商品もあります。専門性の異なる商品が多くある部署ですね。ここ数年、若手社員からの提案で多いのは、若手弁護士に向けた商品です。これは、昨今弁護士の数が増えているということと、事務所の先輩が少ない場合、自分で知識を習得していく必要があるため、そこのニーズに沿った商品を考えよう、という理由があるからです。

商品の企画を考える際には、お客様である弁護士の先生のところにインタビューに行ったり、書店の売り場を見て回ったり、情報を自分の手足で集めます。「こういう本をお客様は求めているのではないか」と自分で考えたものが書籍化された時には、「完成した!」という達成感もあり、自分の中のモチベーションも絶対上がるんです。そういう機会を編集部の若い方たちには経験してほしいなと思っています。そのためには、日頃の業務の中で、企画の「アイディアの種」を考える時間をどれだけ確保してあげられるかが管理職の仕事なのかなと思っています。

仕事と家庭の両立で心がけていることはありますか?

子どもが生まれて、自分の中の優先順位が一気に変わりました。ダントツ1位が子どもになったのですが、その想いを汲みとってもらえる環境であることはとてもありがたいです。

毎日の子どもの送り迎えを、我が家は妻と交代でお迎え当番をしているので、16:30に早退する日もありますし、「お子さんが熱を出しました」と保育園から連絡があるたびに、昼過ぎにお迎えに行くこともあります。もちろん、妻とスケジュール共有をしっかりするとか、最悪何か起きてもリカバリできるような仕事のスケジュールにしておくなど、自分で工夫できる点は対応していますが、周囲の方の気遣いや配慮のおかげで仕事と家庭を両立できているなと感じます。

私の時はまだ制度化されていなかったのですが、2021年に育児・介護休業法が改正され、男性でも育休をとりやすい雰囲気が広がっているなと感じます。当社でも何名かの男性の育休の取得実績があります。私の子どもが乳児だった頃を思い返すと、ミルク担当として、22時にミルク作って、午前1時にミルク作って、 午前4時にミルク作って、という日もありまして、もう寝不足と忙しさで記憶が全然ないんですよね…。もしあの頃に制度があったなら、間違いなく育休を取得していたと思います。私が育休をとったとしても、「男性なのに」とか「管理職なのに」とかそういうことを絶対に言われないだろうという安心感があるのも当社のあたたかいところだと思います。

アンカー 3

​とある1日のスケジュール

外出

企画に関する著者との打ち合わせ

部内ミーティング

勤務開始

メールチェック

部署の決済案件の確認

昼休憩

部内メンバーと案件の状況確認 

急ぎ案件がないか確認して、

お迎えのため勤務終了

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

16:00

14:00

16:30

bottom of page