村木 大介
(2008年入社)
編集、システム部門を経て、
リーガルテック・DX関連業務に携わる村木社員。
法学部やロースクール時代の経験を、
これまでどのように活かしてきたのか?
更にマネージャーとしての『夢』も
熱く語ってもらいました!
現場を明るくしてくれる元気な方、新しいことに挑戦することが好きな方、根気強くコツコツ取り組むのが得意な方、色々な個性をお持ちの皆さんと働けることを楽しみにしています!
\学生に向けて一言/
経歴
2008~2020年
編集部門にて電子版商品(判例)を担当。単行本制作や追録制作も実施。
2020~2022年
システム部門にて判例システム改修等を担当。DX関連のチーム立ち上げ。
2023~現在
制作部門にてリーガルテック・DX業務を担当。マネジメント業務も実施。
村木さん「らしさ」とは
「何が起きても基本的には大丈夫」
ポジティブ思考なので、色々あっても大抵は前向きにとらえ直せるのが自分らしさだと思っています。
村木さんの
「カスタマーファースト」
共同開発をする研究者・開発担当者の方が私にとってのお客様。
「この人と一緒なら面白い研究ができそう!」「第一法規と一緒に実証実験するなら是非この人とやりたい!」と思ってもらいたい。
部内メンバーも私にとってお客様。「この人なら自分のことを成長させてくれる、一緒に課題に挑戦したい!」と思ってもらいたい。
それぞれ、一緒に仕事をすると、化学反応を起こせそうと思ってもらえるような存在を目指したいです。
村木さんはロースクール出身ということですがその道を選んだ理由は?
私が大学生の頃に、ロースクール制度がちょうど始まったのですが、元々弁護士になるか、国際関係に関する仕事に関わりたいと思って法学部に入った私は、進路として、ロースクールに進学するか、旧司法試験を受けて弁護士を目指すか、国際関係の大学院を目指すかで迷っていました。大学4年の頃に、記念受験で受けた旧司法試験の結果は、惨敗。「環境を変え、本気で勉強したい」と考え、ロースクール進学の道を選びました。人生で一番勉強した時間だったと思います。当時の同級生のおおよそ6割程度は、弁護士、裁判官、検察官といった法曹有資格者として現職で働いている感覚で、残りのほとんどが裁判所事務官や地方公務員といった職につき、民間企業へ就職した同級生はほぼおりません。
そんなレアな道の中でなぜ当社を選んだんですか?
私はロースクール卒業後、新司法試験を2度受験したのですが、2度目の受験のときは、「これでダメだったら諦めもつく」というくらいに勉強したつもりでしたので、受験後、合格発表までの間に、他の進路についても目を向けることにしました。当時は合格発表まで数か月程度の期間があり、その間に受験できる公務員試験がないか、採用活動をしている民間企業はあるのか、といった情報収集をそこで初めて行いました。
結果として、法務教官(※1)、裁判所事務官といった公務員試験に合格したのですが、いずれも自分の気持ちが大きく動くことはありませんでした。
受験が一段落し、法律の勉強から離れてみて改めて気付いたのですが、私は活字がとにかく好きで、小説・漫画・あるいは説明書のようなものであっても、紙に文字が書いてあるものなら読み入ってしまいます。そんなこともあって、民間で就職するなら出版社か新聞社かなと思って当社を受け、ご縁がありました。
※1…法務教官とは、少年院や少年鑑別所などに勤務する法務省の職員のこと。
ロースクール時代の友人とは今でも繋がりはありますか?
大勢ではありませんが、仲良くしている友人たちは今もいます。編集部に所属していた頃、当時広島で弁護士をしていた同級生から、「土砂災害が起きてその対応に今追われているけれど、参考になる本がないんだよね。」と言われたことをきっかけに、その友人と、周囲の弁護士の先生方にも協力を仰ぎながら『弁護士のための水害・土砂災害対策QA-大規模災害から通常起こり得る災害まで-』という書籍を企画しました。2015年に初版を発刊し、2019年には改訂版も発刊し、今でも多くの弁護士の方々に読んでいただいています。
これは蛇足かもしれませんが、私自身が過去そうだったのですが、今現在、司法試験の勉強をしている人の中には、「受からなかったらどうしよう」「法曹になれなければ、社会に受け入れられないのでは」ということを四六時中考えてしまっている人も多くいるのではないかなと思います。将来への不安が頭から離れず、勉強が手につかないこともあるかもしれません。ですが、弁護士などの法曹の道に進んだ人はもちろん、公務員を選んだとしても、民間企業を選んだとしても、ロースクールで学んだ知識や鍛えられた力は、仕事をする上で大いに役立つと今なら自信をもって言えます。だから「何の心配もなく勉強に打ち込んで大丈夫!」と、昔の私にも、今悩んでいる方がいればその方々にも言いたいです。学んだことはどんな道を選んでも必ず活きると信じてよいかと思います。
そして、法曹以外の道を目指してみようかと思った時には、当社も選択肢のひとつにしてもらえたら嬉しいです。
学生時代の経験は現在どのように活かされていますか?
入社して最初に配属されたのが編集部でしたが、そこでのメインのユーザー・執筆者の多くが法曹関係者だったため、そうした方々と共通語で話せることが何よりのアドバンテージだと感じていました。また、執筆者の先生からいただいた原稿を読むときも、言葉一つひとつを調べなくても大体意味が分かるということは、仕事を覚えていくうえでも圧倒的に有利だったように思います。
また、学生時代の経験を活用した事例とは少し違いますが、学生時代に読んだことのある書籍の著者に初めてお会いしたとき、そして一緒に仕事をしたときは、とても感動したことを覚えています。プロ野球好きの人がプロ野球選手に会えたら嬉しいと思う感覚に近いのかなと思いますが、私の場合だと、要件事実分野の加藤新太郎先生や大江忠先生、会社法の江頭憲治郎先生と初めて仕事でご一緒したときは、「第一法規すごいな」と、先輩方が脈々と受け継いできたものの大きさを実感しました。
学生だった当時は難しいなと思いながらただ読み進めていた書籍が、著者とお会いして一気に輪郭を帯びたものとなっていったり、編集者の視点で読むことで全く違った気づきを得られるのも、学生の頃の学びが基礎になっているように思います。
その他、現在私が関わっているリーガルテックやDXに関する業務において、当時の学びが活きているものがあると感じています。業務としては、最新技術やAIを使うことで商品力を強化できないか・社内システムを効率化できないかといった実験や研究を行っているのですが、そこでは、システム開発会社の方や、自然言語処理分野の理系の大学の先生たちとのやり取りが多く発生します。
そうした場面においても、法学部やロースクールにおいて、物事を論理的に考えること・段階的にロジックを積み上げて思考することを訓練してきた経験値が、専門家の方たちの話す内容を自分なりに落とし込み、新たなアイデアと組み合わせるといった思考をすることに非常に役立っています。
法律とAIが交差する分野であるリーガルテックについて、当社も大いに取り組んでいるため、こうした場面は今後ますます増えていくと思います。
法律のプロではないシステム開発会社の方や、理系の大学の先生たちに「法律の世界ではこのように考えるので、こんなことができないだろうか」ということを伝え、一緒に検討していくためにも、こうした知見は活用できるかと思います。
第一法規がリーガルテックに取り組むようになったのはいつですか?
専門のチームができたのは2022年ですが、実際には、もっと前から取り組んでいます。リーガルテックとは、今ではWebサイト上でもあちらこちらに登場する語句ですが、その言葉の意味は少し流動的かつ幅広いです。最新技術を用いて法律に関する業務の利便性向上を目的としたITサービス・ツールであるとして考えると、たとえば、第一法規が現在提供している『D1-Law.com』もリーガルテックの1つと言えるかもしれません。この商品は、元々は紙の法令集や判例集、法律関連の文献情報などをインターネット上で検索できるようにしたものです。当社においては、法律に関する業務の利便性向上に資する技術に関わる研究や実験を行い、「このアイデアは、AIの力を借りたら実現できるかもしれない」「AIの技術といっても、どういった技術が必要になるだろうか」など、さらに踏み込んだ部分を専門チームで検討することも進めています。こうした新しい取り組みに対して、ワクワクしながら仕事ができることは、当社で働く魅力のひとつだと思っています。
今までの業務で一番大変だったことは何ですか?
大変だったなぁと思うところは細々あるものの、その後の達成感などで解消されていることもあって、一番大変なものとして具体の業務で浮かぶものがあまりありません。ただ、現在所属している部門へ異動し、初めてマネージャーとして管理業務を行うことになって、その大変さは日々実感しています。
私がマネジメントする部署は、いま現在会社全体から見てどんなことが求められているのか、どんな課題があって、今までどう解決しようとして、今後どうしようと考えているのか、ということを、自分から動き、周囲の方々から情報を集めて学ぶ必要がありました。もちろんマネジメントに関する研修もありますし、部署の目標や会社の方針というものはありますが、部署のメンバーの皆さんが取り組んできた軌跡についての情報や、業務全般の知識が圧倒的に足りませんので、意味を深堀りできないジレンマが長く続きました。
現時点では、少しずつですが乗り越えられていると思います。マネージャーの立場にある先輩方や部署のメンバー、専門的知見を有する他部署を含めた様々な方たちが支えてくれるので、心強いです。
異動は転勤を伴うものだったと思いますが、どのように感じていますか?
東京から長野へ、初めて転勤しました。私には長野の暮らしがとても合っていたので、快適に過ごせています。
満員電車に乗らなくて良い、道も広く人で混みあってもいない、暮らしていく分には不便を感じない、水がおいしい、自然に触れる機会も多いなど、環境が変わるということが自分にとってはプラスでした。異動の話があったときも、私は新しいことが好きなタイプなので、「大変だけど、全部経験になる」とむしろテンションが上がったのですが、実際に暮らしてみても期待以上に過ごさせてもらっています。ただし、冬は寒いですが(笑)。
村木さんは今年からマネージャーになりましたが、いかがですか。
先ほどの話と重複しますが、この役職に就いてから、マネジメントの大変さを目の当たりにしています。特に最初の頃は、メンバーの皆さんそれぞれのことを詳しく知らず、各自が担当している業務も理解していませんでした。また、今まで自分がプレイヤーとして取り組んでいた時とは違う、部署の課題、会社としての課題にも直面し、何から手を付けてよいのかと途方に暮れそうになったりもしました。
メンバーの皆さんと向き合うことに時間をかけたり、マネージャーの先輩方や周囲のメンバーから話を聞きながら、半年ぐらいかけて少しずつ吸収していき、ようやく自分なりに腑に落ちた所までは到達した気がしています。メンバーの皆さんの事が段々と分かってきたら、次は彼らが、「こんなことをやりたい」「こんな風に成長したい」と声をあげたときに応えられる部署にするためには、マネージャーとしてどうしたらよいだろうかといったことを考えるようにもなりました。今後も、メンバーの皆さんと積極的にコミュニケーションを取りながら、「新しいことを自分で考えて、取り組みたくなる」そんな環境を作り、支えていけるようなマネージャーを目指して頑張りたいと思っています。
私が所属する部署は、制作に携わる社員のトレーニング・育成に関して取り組んでいる部署でもあるのですが、これも新しいことへのチャレンジの足掛かりになるための環境を作ることを目的としています。例えば、専門的知見を有する人を講師に据えて、テキストを整備して研修を実施したり、実業務と並行して演習問題等で各自の技能を上げていくような取り組みをしています。
当社では新たなこと・難しいことにチャレンジする姿勢を評価しているのですが、ただチャレンジすべきである、という意思を伝えるだけでなく、部署としてのこうした取り組みも含め、そのための環境作りを率先して行い、メンバーの皆さんの将来像を見据えたアプローチを心がけていきたいと考えています。